huv a slight fever

年中夏

Sep.2018

音楽多め、全体の現場少なめの月
なのにどうしてこんなに遅くなった…

劇団四季 ライオンキング
一度観劇した記憶があって、実はそれが私の中のミュージカル観劇というものの原始風景?的なものになっていた。舞台好きだなって思い始めてから何故か見ようとは思い立たなくて、今回ようやくお誘いいただき機会があったのでいってきました。
一度見たときから20年は経っているのでは?…とおもったら、日本公演ちょうど20周年なんですね!知らなかった!登場した頃に見ていたことになるのか。
いやはや楽しかった〜!!!すごい!ライオンキング、すごい!楽しい!だいたい劇団四季さんをあまり見ないので3年ぶり?くらいでした、が、やはり、すごいな〜…。アトラクションのようだった。通路横、ここまでたくさん動物が通るのかぁ…とか新鮮に驚いた。パレードみたいだな。
歌(キャスト様の力的な意味)も演出もすてきで、おもしろくて、元気が出ました。言葉でないものの情報量がすごくて、考えながら見てるのが楽しかった。
今思えば動物の社会をミュージカルアニメにするなんてほんとすごいな。いろんな意味で新鮮。ファミリーで見ても楽しいよなあと納得がいった。
そしてやはり音楽が強い。よい。アラン様の曲はどうしたって好き。これは血…
案の定スカー様がすきになって帰ってきた。ああいう役をできる役者さんかっこいいというはなし

松任谷由実 Time Machine Tour
たのしくてたのしくてたのしかった。ツアーの初日、というのに入ったのが初でした。ライブ、予習してから行くのも楽しいけど、やっぱり中身がわからない初日は特別などきどきだったな。
長年ファンの人にとっては本当に夢みたいなツアーなんじゃないかなあ…応援してきてよかったと思えるような。羨ましいな〜…もっと早く生まれたかったな〜と思ってしまいます。それでも自分の人生を歩くけど!
というか、ユーミンがこの世に生まれたあとの世界に生まれてこれてよかった。ユーミンが生まれる前じゃなくて。すごいな、なんか紀元前と後みたいな分け方になるな。
だっておかげさまで、じぶんの人生と一緒に歩いてくれる素敵な曲がこの世にこんなにあるんだよ!?(感極まりポエム)

イカフクあたりからのセットリスト聞くとほんと…バブルに生きたかったよう…となる高揚感。ライブで聞いて発掘できた感があった曲は月曜日のロボット。好きになれた。あと私はかんらん車大好きマンなのでここで聞けて嬉しかった…。春よ来いについて話していた言葉に、ああここに来てよかったな、って思いました。ユーミンの口から聞くと納得できるというか、すとんと落ちてきた。そしてね、やはり、現地で聞く「緑の町に舞い降りて」はすごく嬉しくて、なんかじんとしました。旅そのものがたのしくて、盛岡ごと大好きになった!また行きたいです。ツアーでなくとも。

このツアーもできたらもう一回行きたいな。あ、フリフラやっぱり最高じゃない?もう光る棒じゃなくて腕振りたいんだよ〜…クラップできるし……となるずぼら


他にもあったけど9月はこんな感じでした。無理矢理感あるな。10月盛り沢山なので早くまとめよう

Aug.2018

◆宝塚BOYS チームSEA
書き出しに悩むことはめったにないのだけど、この作品は、なんと言ったらいいかわからない。書くのが難しい。ただ幕が下りた頃グシャグシャになったハンカチ手の中にあった。なぜかはっきり明確な理由がわからないけどレビューでぼろぼろに泣いていた。一番近いのはしんどいという感覚かもしれない。私がそう感じた理由はこの舞台の終わり方にあって、結局みんなで大劇場に立つことはできなかった彼らだけど、それがまるで叶ったみたいな幻のようなレビューが待っているから。レビューで彼らが輝けば輝くほど、それがたどり着かなかった夢であるということがはっきり意識されるようでつらい。現実と夢の差を感じてしんどい。最後にはそれぞれが舞台から去る。思い思いに、大階段をみつめたり、地面をみつめて泣いたりしながら。叶えたかった夢をきらきらに演じている彼らを、自分がどういう気持ちで見ているのかもわからなくなった。
彼らの努力が足りなかったからとかそういうのではなく、ひとりひとりに秘めた熱い思いがあっても叶わないことだった。ただの事実として。私は宝塚に詳しくはないけれど、ずっとそうやって続いているんだろうな。それが悪いとかそういうんではなくて。

たとえ叶わなくても彼らの姿は私の目に記憶にとても印象的に残りました。
舞台に立ちたいと強く願ってそれを実現させて舞台に立つ人はやっぱりすごく美しい。憧れとか夢とか。
それに加えて戦後という状況でそれぞれの家族との関係とか、宝塚やショーや自分の人生に対する思いがあって、特に竹内の兄と母のエピソードとかもうだめでした。あれは悲しくて泣いてしまうしレビューでも触れてくるから泣いてしまった。
途中で出てくる宝塚に関しての言葉の中で、舞台をみて腹は膨れないけどそれでも人は娯楽を求める、という感じの言葉(曖昧でごめんなさい)あらゆる人に聞いてほしい言葉でした。それがわかるから私も劇場に足を運ぶ一人です。
キャストの方にも全部触れたいくらいなんですがすごい豪華…これは見にいくよね。良知さんは私の中でお芝居の人、です。歌とかダンスとかそういう技術ももちろん素晴らしいんだけど、すごく心を揺さぶるお芝居をされる方です。というのがあらためて感じました…。東山さんは星野そのものすぎた。おばちゃんへの物腰とかキラースマイルとか。そしてダンサーとしての佇まいが美しくてぴったりとしか。藤岡さんが歌の力で殴ってくるのではなくキャラの濃さで殴ってくるのも衝撃でおもしろかったな。レビューのところだけお歌のうまさが滲んじゃっててまたはやく他の作品も見たいなーとか。
素敵なキャストさんを見て満足する半面、SKYを見るのが俄然楽しみになりました。だってまた全然違うことを感じられそうだから。終戦記念日に観劇することになりましたので心して。

◆ホチキスボイルド「ケルベロス
不思議な空間の使い方だったなあ。とはいえ正面から見たので普通っちゃ普通のお席で見やすかったのですが。すご笑った。いつもか。いきなりハチクロでわらっちゃったもんなあ。就活あるあるとか。こういう、誰でもクスッとくる笑いってどうやっておもいつくの…?といつもおもう。敵対してたキャラがなんやかんやでツーカー組む展開熱いんだよなあ…そんなの好きじゃん…ってなりました。あとね、スーツを着こなせる人材は貴重。オフィスなお芝居もっと見たい!自分の現実が楽しくなるので。

◆宝塚BOYS チームSKY
みてきましたよ〜。キャストが違えば感想も違う。あたりまえか。
冒頭の玉音放送から、観劇した日が観劇した日だけに身が引き締まった、とも違うけど、なんとも言えない気持ちになりました。今元気な体で何不自由なく観劇ということを楽しめているこの現代との対比。通信兵だったという知識を得てから見ると、なるほどな…と思った。
やはりキャストの年齢が若いと、先生方とのやりとりがしっくりくるなあと思わずにはいられなかった。最後に肩組みながら歌うところとか気持ちが入りすぎちゃって、すごくのめり込めた感がありました。
永田くんはこんなお芝居もするんだなあと新鮮だった。なにしろはじめのシーンから飛ばしてるキャラだからな…あんな高い声だったっけ?!と思いつつ、静かなトーンに落としたときにたしかに永田くんの声だ!と感じて、振り幅すごいなあと。きらっきらで愉快な大田川そのまんまの塩田さんも好きだった。

芸名はキャストが考えて決めるってことはどこかのインタビューを読んで知っていたのですが、最後のレビューの1言みたいなところも変わるのね?!それにびっくりしました。無条件に悲しくて泣いてしまう言葉が来てしまいそうで構えていたのですがそうじゃなかったので拍子抜けした。海もだけど空の方のレビューは本当に夢がかなった!みたいな感じがして、夢っぽさが増して終わった落差もすごかった。泣いてしまうな…。
名前の決め方とか、最後のレビューの紹介文で、その人が役に対してどう考えてるとか持ってるイメージがわかるってことだよなあ…それってすごく面白いなっておもう。わらわせたいようという名前、すてきすぎ。
また違う機会で再演するとしたらぜひまたみたいです。その前に私は一度宝塚歌劇というものを見るべきでは…?

jul.2018

月が明けてしまう前にすべりこみです
ほんとぎりっぎりだな…

◆DULL-COLORED POP 『1961年:夜に昇る太陽』
 福島三部作のひとつ。ダルカラ作品はじめまして。テーマからしてもっと小難しい感じかと思ったけれどそんなことはなく、1つの家族の1つの夜(振り返ると本当にそこの部分だけなんだなあ)を描いた作品。おもしろくて笑ってしまうところもたくさんあった。けれど軽いというわけではなく、残った記憶を振り返ると、熱くて、勢いがあって、でも静かな部分もしっとりした部分もあった。
 私は2018年という現在の点から2011年のことを振り返っているけれども、(あらためてもう今2018年なんだな。)どんどん遠ざかる1961年のひとときを覗くように追体験した、そんなかんじがした。
 お前は否定しなかった、という言葉にどうしようもない気持ちにさせられた。それはなぜなのか。あれはたかしだけに向けられたものではないんだと感じている私。
 過去に対してこうあるべきだったとか、こうしておけばよかったと言うのは野暮だと思うし、いくらでも言えるけど、言ってももう意味はなくて、ただあの時代にあれだけの人が生きていて、選択した結果の分岐の未来に立っている私たちがいて。あの人たちには未来なんて見えなかった、はずなのに、はずだから?たかしが放射性廃棄物は?!とか言い出したときどきっとした。未来を見通しているみたいで
 あの頃から先の点に立っている私たちがこの作品を見てなんらか思うことがあったならそれをどうすればいいのか…とかんがえてしまう
 原発という問題も含め、田舎ってものが、つらい。と感じる。よわい。苦しい。今年は都会と田舎という対局が背景にあるような作品をたくさん見ている感じがするのですが、私はどうもこのテーマに弱い。苦しくなってしまう。どうしようもない気持ちになる。ただ、自分も故郷を離れて生活している身なので、たかしの気持ちも少しはわかる気がして。
 役者さんひとりひとりが近いだけじゃなくてどこか懐かしい感じがした。

 構成としては、音楽を混ぜながらっていうのがなんとも当時の雰囲気をかんじられるみたいですごくすごくよかった。あと後ろのテロップが静かに事実を伝えて情報を挟んでくれるので、それも大事な役だった。
 ぜひ続きもみたいです。見に行きます。
 雨が降っていた日だったのですが傘の置き場の案内から会場内の誘導に至るまで、対応してくださる制作の方と演者の方?(びっくり)がとても丁寧で頭が下がるおもいでした。

◆グーテンバーグザミュージカル
 お兄さん組観劇。やっぱりもう1チームも見たくなるよね〜…。突き抜けて笑える、そして、歌がうまい………知ってた…会話がテンポよくてたくさん笑えるのに、歌のシーンは泣いてしまいそうになった。だって音楽がしっかりミュージカルしてて泣かせてくるメロディアスさなんですよ。ヘルベティカの曲が、歌詞はきれいではないのに、原田さんによるやるせない気持ちの表現が普通のミュージカル(ってなんだ?)をみてるようにすーっと入ってきて、ミュージカルってすごいな…っておもいました。理屈じゃない…
 日本ミュージカル界の名だたる俳優モノマネでゲラゲラ。こういうのテレビでやったら面白いのに〜!もっとみたいのに〜!とおもったけど、たぶんこの日劇場に来るような人たちこそ一番受けるんだろうな。劇団フォーシーズン。
 歌がうますぎて、俳優さん二人のキャラがこすぎて、この作品の根っこというか、人物(ダグとバド)がちゃんとつかめていない気がしてしまって、なんやかんや。だから他の人のチームでもみたいな〜とそんなかんじもした。

ここにまとめなかったけど前半を某作品に捧げすぎまして、またしても別記事で上げたいのにまとまらない。察し。またの機会に。(一生「またの機会」がまわってくることはないのだろう…)

jun.2018

◆あやめ十八番「ゲイシャパラソル」墨
2060年という設定ながら近未来というよりは古風な雰囲気、生演奏や照明も美しく独特の世界観がかっちりしてる。
戸籍売買が蔓延る時代という設定に、なんとも惹かれるというか、、、すきです。お金のためというんだからすごい。偶然、観劇する日の2、3日前に無戸籍高齢者の特集をテレビで見ていたもんだから、仇吉さんが戸籍を売れないってことが=もともと持ってない、っていうことにすぐ結びついて、もしや…って思い至りました。
名前というもののもつ重さがすごく心に残った。呼べば魂が飛んできてくれるというのはすてきだなあ。名前を読んでほしいという気持ちがまっすぐ突き刺さってきた。ひりひりするような感覚が味わえて、なんとも言えない気持ちになって泣いてしまった。

それぞれの役の役割がすごくしっかりしていて、粋ということばを体現したみたいな格好良さとあたたかさがあって、ああいうのってなんで伝わるのだろうね。何を見て自分がそうおもったのかもう一回見て確かめたくなる。
歌をはさみながら展開していくのもおもしろかった。

それにしても座高円寺、劇場は好きなんだけど椅子との相性が悪い。

◆THE CIRCUS Episode02
田野ナディアがひたすら美しくてかっこよくてかわいかった。植木ベンとのMCコーナーみたいなのがたまらんかった。植木さんはフアンぶりなので久々お目にかかりましたが、いつみてもなぜかかわいいんですよね…かっこいいのにかわいい。ずるいかわいさ。あと青柳さんの筋肉がやばくてどなた…?となった。シルエットがおかしくない…?!
ミュージカルといわれるとうーん?ですが、パフォーマンスが楽しいからファンにはひたすらたのしいだろうなあ。戦隊ものっぽい。女性キャストの存在感が素敵。2幕の一曲目がすごい好きだった記憶があるけどどんな感じか忘れてしまった。
しかしなにより、次回作に続くなんて聞いてないぞ?!と困惑した。そんなのあり?

モーツァルト
観劇したのは古川ヴォルフ回。
念願かなっての初M!だったにもかかわらず、なんか、どうやら私この作品と相性悪いみたい?!でした。僕こそ音楽を生で聞けるだけでうれしかったし、この曲の力が大きすぎて…なんだかその後の物語というか、誰の心情にも入れ込めなくて困惑した。みんな不幸せな方に向かっているというか、なんだろうな…
アマデという存在に場が支配されすぎていて、終始怖かった。本人の才能のはずなのに相反するものみたいにしか見えなくて、どう捉えたらいいのか消化しきれなかったというか、うーん。
唯一意外と?コロレド大司教が悪役チックな立ち位置ながら、ヴォルフの才能を認め続けていたことが、アプローチはどうであれとても冷静…という感じがして、納得できる悪だったというか。むしろヴォルフの家族や周りの人たちの気持ちが全然なんか理解できなかった……。コロレド氏は衣装の真っ黒で長いマントが大変かっこよかったです。

◆あちゃらか2〜ねずみの歌は花火とともに〜
 楽しかったという他ない。多く語ると野暮なのでだらだら書きたくない。私は本当にこの人たちが作る作品が好きです。心から。いつも安心して身を任せて楽しめる。でもちょっぴり闇もある。だからこそいきいきとした人のあたたかさが際立って、心に明るいものを灯して帰ることができる。またあの世界の人たちに会えることを願う他ない!

◆ブロウクン・コンソート
こんな疲れる作品久々…(良い意味で)となった。緊迫感…!!!!気を抜くのが許されない感覚。知らない間に集中しているかんじ。
見ながらも見終わったあとも、フライヤーのことばがなんども頭の中で蘇るのはそれだけこの作品の本質を表したキャッチなんだろうな〜見事だな…とおもったりした。
帰り道ぼんやりしながら、最後の銃声はどちらが…?と思ってしまってきになります…。

6月怒涛でした。7月が今年ピークな気もする。楽しい夏がやってきました。

May.2018


◆ジャージーボーイズinコンサート
文句なしに楽しくて、夢みたいなコンサート。素敵な夜でした。
ストーリーを思い出せて懐かし楽しかったし、今年の公演がさらに楽しみになりました。
もうあのキャストさんが揃うだけで素敵な時間が確約されているのに、歌うだけでない構成もおもしろかったし、映像とカメラの使い方がうまくて、すばらしかった…映像も見たいし、歌っているご本人も見たいし、忙し楽しい。
ライブカメラで撮ったものががそのまま後ろの画面に映るんだけど、まるで映画みたいな映像というか、照明とか構図がすばらしかった。きっちり美しい映像。とくに舞台の奥からステージと客席が映る構図だったり、上下両端にあるカメラが横に並んだキャストさんを映す構図が好きでした。ペンライトが演出になるような画が好き!!
それにしても、私は本当にFOUR SEASONSの曲が大好きらしい。無意識だったけど、特にSHELLYとか、イントロ始まった瞬間にブワッて涙が出て自分でびっくりした。なんだろう。導入のセリフ?があったから気分が高まったのかなあ……あとやはり中川さんは本当〜に歌うために生まれてきたんだなあと思ってしまう。何回聞いても、歌声を聞くだけで今ここにいられてよかったなあと感謝してしまう……。
そして今回特に印象に残ったのはは矢崎さんでした。REDで見たボブゴーディオと別人みたいだった。かっこよかったです。

6月現在手持ちのチケットがゼロで冷や汗をかいている。神奈川公演いきます…

 

◆シラノドベルジュラック
完全に役に感情を動かされ、情緒が揺すぶられすぎて危なかった作品。すごく良い体験をしました。それが楽しかった。終始笑いが耐えない舞台なのに、ぼろぼろに泣いてしまった。お芝居を見た、という感覚があって、なんだか楽しかった。活劇。

始まってすぐは口上?みたいな言葉がリズミカルで軽快で耳に心地よくて、笑いどころが多くて、こんなに笑える舞台久々だな〜なんてのんきに思ってたのに、一幕終わりのバルコニーのシーンあたりでシラノが自分を明かせないという切なさ、それでも自分の言葉は受け止められたことに喜んでしまう姿をみて、やるせなくて、涙と鼻水が滝みたいになって。しかしそういうシーンでもばんばん笑いを挟んでくるから泣き笑いみたいになってしまって自分の顔が悲惨でした。はじめての経験です。

クリスチャンにぎゃふんといわされた感はある。なんでロクサーヌはこんな男がいいんだろうと思ってたら、シラノのロクサーヌへの気持ちに気づいたらさっと身を引くクリスチャンにびっくりしてしまった。イケメンだ…?となった。たしかに、僕は僕のまま愛されたいという気持ちがあったとはいえ。あの言葉がまっすぐ響きました。

シラノは人の姿を借りることで素晴らしい言葉で愛を表現できるけど、自分の思いを面と向かって真っ直ぐには伝えられない。大好きってたぶん言えない。言うチャンスが来ても言葉に詰まってしまう。反対に、クリスチャンは美しい言葉を紡げないけど好きって言葉は伝えられる、2人のその対比がなんともいえなかった。面と向かって伝えればよかったのか、そしたら結ばれたのかって考えるとそういう問題じゃない。

あらゆるコンプレックスというか、自分のステータスの中で、自分にとっての負い目となるものを一つでも抱えている人は、見たら感情移入してしまうんじゃないかな…。見た目のこととか、年齢とか、性別とか、なんでもいいんですけどそういうもの。
それって普段生活している時以上に、好きな人ができたとき、相手に好かれたいと思ったときの弊害になりうるもので、人は悩む。その姿が私はすごく好きというか、身近に感じられたのかもしれません。
結局救われる話ではないんだけど、それでもああして自分の心意気をもって生きているシラノを見てなにか感じられると思うし、私は本当にそこに共感というか、なんだろう…感情を入れ込んでしまって泣きました。切ない。こじらせている。

シラノきっかけでおっさんずラブ一挙放送を見てしまった。吉田さん…部長…というきもちになりました。切ない話はいいものだ。

5月はあんまり舞台見てないですね。意外。

あなたとわたしは家族なの?

今年めっちゃ映画みてるかんじがします まだ3度だけだけど(当社比)

万引き家族」見てきたので思ったことを残しておきたく。

まずネタバレ有りになる前にこれだけは言わせてくれ、タイトルだけみて、あんまり興味ないな…で見なくなった人がいたらもったいない映画と思います…わたしはタイトル判断であんまり見たくないな…(苦しくて理不尽な現実味ある内容がめちゃめちゃ描かれていそうだから娯楽としての映画ではなさそうという印象から)と思ったけど同伴者にすごく強く誘われたので乗らない気持ちで見に行きました。
結果見に行ってよかった、という感想をもった。理不尽な内容もあったしただの娯楽にはならなかったけど(いい意味で)、だからこそ。こういう映画を見るということがたぶん私の中ですごい影響を今後持ち続けると思う。こういう映画が人生には必要…と思える映画でした。まあ人によるだろうけど……(それを言ったら全ての作品がそう)


前置きが長い

以下ネタバレ含みますのでご注意ください。

パルムドールとってこれだけ話題になっていても映画館ガラガラ過ぎてびびりました。立地のせいか?
そんなことはともかく、間違いなく見てよかった一本です。とても貴重な存在の作品です。人によっては、これをみたことで自分の人生が変わるんじゃないかと思うくらいのものです。いろんな問題を含んでいる作品。

どういう終わり方をするんだろうと終盤ずっと気になったけど、ある意味予想はできてた結末かなあ。結局一家は物理的にばらばらになってしまう。凛は本来の家庭へ、祥太は施設へ、お母さんは刑務所へ、お父さんは一人の生活へ、さやかはどこへいったんだろう。
それを決定づけたのは祥太が捕まったこと。(それを考えると駄菓子屋のおじさんがそのスイッチだったと思うし、その場で怒鳴り散らさずに妹にさせるなと諭すことができるのがマジですごいと思った…ああやって伝えられる人間は実際すごく少なそう)(わざと捕まった、と本人が言っていたけれど、凛を庇おうとしただけであって怪我をして捕まったのは本人の意思ではないと思うんだけどどうなんだろう)それによって、隠されていたことがどんどん明るみに出ていく。でもそれは建前的な真実というか、まだ隠れてることとかたくさん残されたままなんだよなって印象。警察とか行政が関与し、突き止められて「真実」とされることが本当に100%正しいのか、事実なのかって言われたらそれはノーで、隠され続けることとかもたくさんあるんだろうな。都合のいい真実だけが明るみに出るみたいな。

あの展開がなかったらあの生活が続くかと聞かれたら多分そうではないし…何らかがきっかけになって破綻するとは思うけど、祥太が万引きをやめる展開になったのは唯一の救いというか…、この先もう二度とやらないで健やかに育ってほしいなあと勝手すぎる望みをもってしまうな……。学校に通うことができたのは良かった。でもちゃんとその先まで誰かが彼を、彼の生活を守ってくれるのかと考えると、それは全然確約されてないと思う。何かの拍子に万引きする癖がまたでてきてしまわないように、正しい選択ができるようになるといいよね…。誰がそうさせてくれるんですかね…っていう。凜も絶対幸せじゃない生活だし…救いがないといえばない終わり方なのかなあ。


安藤サクラさんがとてもとても印象に残った、よかったなあ…。お母さんの行動すべてが正しいわけではないんだけど、自分の中の正義?ある種の信念を持っている人間なんだろうなあって思える人物でした。終盤のシーンとか、翔太に拾ってきたいきさつや親の特徴みたいなものを伝えるシーンをみて。強い人物というわけではないんだけど、なんというんでしょうかね。ああいう人すごく魅力的だと思った。でも運命に翻弄される姿が切ない。


ある意味大きなスポットがあたっていたように私が感じられたのは作品の中の「子ども」の存在で、大人の対極として描かれているように感じて、1大人として息苦しさを感じるつくりでした。それが逆に見てよかったなあと思います。改めて思う、子どもは親を選べない、家族を選べない、権利を主張するにも未熟だし、虐げられている自覚すらないかもしれない。でもそれじゃあだめだから。
今の制度にのっけた(=この映画の結末みたいな)ことでみんながみんなみんな幸せになるわけでもないし、難しい。だからああいう家族のかたちというのも、法的には正しくないかもしれないけれど、人の心の拠り所のあり方としては正しいと思った。だってどうしたって人って一人じゃ生きていけないじゃないですか。そういう人と人との関係ってむりやり作ったりすることはできない最たるものじゃないですか。じゃあ誰が作ってくれるの?っていいたくなる。
別にそういうメッセージを強く描いたとか主張したというようには感じなかったけど、なんだか巧みだなあと思いました。思うことがたくさん出てきて、はあ…ってなります。日曜の夜とかに見るべきではないです。金曜か土曜の夜とかにしたほうがいいです。


二年に一回くらい見たいな…。好きとかじゃないけど。みられてよかった。大事なことなのでもう1回言っておく。
ひまなときな感想漁ろうと思います。

Apr.2018


◆歌謡倶楽部艶漢 第二幕
キネマ倶楽部でやると知って、いいなあ!とおもっていた。そしていざ入れることになったら、作品の雰囲気とマッチしすぎていて大変ときめきました。
箱だけでなくて、歌謡倶楽部という空間がまるごと、独特で、他になくて、最高に楽しかった!!!!!!!!!!ビックリマークいくつつけても足りない。この世界を作って目の前で見せてくれて、参加させてくれる、ここまでやってくれた方々に敬意の気持ちが絶えません…。
笑えるという意味でのおもしろみもあり(日替わり出演の堀越さんが最高に楽しかった)、かっこよさもあり、完成度が高い……全方位に無敵だった。
みかしゅんさんが、というか、安里さんが本物です。次元超えちゃった。刺激的すぎる!
アイドルみたいな曲も楽しくって楽しくって!そして何故か一番泣けたのは詩郎くんと光路郎さんのデュエット?でした。なんでだか自分の感情がわからないけど、なんだかしあわせだった(?)

紫の蝶々が舞い乱れる空間が夢みたいでした。夢だったのかもしれないです。夢で会おうぜ、(言い回しは朧な記憶なので正確には違うかも)の一言で締めくくってくれた安里さんかっこよすぎた。

◆「舞台『黒子のバスケIGNITE-ZONE」
私は、近い未来に上演されるであろう新作も絶対に見に行くだろう。と言い切れるくらい、すきです。黒ステ。今回も好きでした……。(追記:続編決定おめでとうございます!!!)
前置きしておきますと、私はこの作品の原作やアニメについては未履修で、かつ、出演者のファンというわけでもなく、いち「舞台黒子のバスケ」のファンなんです。ひょんなきっかけで初演を見ておもしろいと思って、2作目を見てさらに面白い!とおもって、そして今作。
結果、いつみても、どれをみてもおもしろい!!!!
試合展開がたくみで、スポーツものならではの熱いストーリーとそれを通したキャラとキャラとの関係性があり、見れば見るほど一人ひとりの魅力が深く掘り下げられていって、どんどん好きになれる。それは原作が面白いからこそというのもあるだろうし、うまく舞台作品として構成し直されているからなんだろうなあ…と思います。
一幕だけで一作品を見終えたような満足感。この時点で、ここ最近の中で1番泣いたのでは、というくらい泣いた。でも二幕でも飽きさせないでさらに楽しさを与えてくれる。うううん。唸るほど素晴らしい。舌を巻く。楽しかったなあ!!
原作のファンだったらたのしいだろうなあ、とか、そういうのも込みで、好きな作品です。生まれかわれるなら原作ファンになって見たい。
でもそういう立場でなくとも、ただ席に座って、はじめて知るストーリーを、漫画を読み進める時にページをめくる手が止められない!みたいなワクワクを持って作品にひたれる喜びも大きすぎて…恍惚ってかんじです。私、やっぱり熱い少年漫画が大好きのようだ。
先が気になって、とうとう原作に手を出すか、次回作を待つか迷うなあ…でも舞台を初見でみる楽しみを知ってしまったのでとっておこうかなあ…贅沢な悩み。

今作については、もう青峰という男を好きにしかならないでしょう………!!!かっこいい…ただのヒールだと思ってたけど全然そんなことなくて、2幕からはいい人じゃん!!と思ってみていた。こんなふうに思う日が来るとは思わなかったよ〜。
でもみんなかっこいいです。木吉さんと火神くんもたくさん好きになりました。いやみんな好きだな…みんな好きだよ…女子ももちろん好き…ほぼ二幕にしか出てこない陽泉も、最後にはちゃんと、試合の描写を通して好きになれて、好きのキャパオーバーになりました。

今回も照明の使い方がとーーーってもかっっっっこよくて!!!あの光るラインみたいなのなんだ!!と感心しきりでした。いやあ…かっこいいな。前回は盆に感心していたな。

この舞台作品を通して、黒バスという作品を、さらにはバスケというスポーツにまでおもしろさを感じていて、とても嬉しく思います。大変な力を持った作品だなあ…。リアルタイムで公演を追えることに幸せを感じる!!見てきてよかった!と思える。


◆Take me out 2018
初見。初演から変わった要素が多いと聞いて、なんで初演を見なかったんだと後悔しているところです。でも今回の公演で見られてよかった。よかった……。1回見ただけでは受け止めきれないところもあるように感じていて、もう一回みたいです。
言葉がかなり重要で、良い意味で集中力がいるように感じられて。直接的な表現を使わずに、これってこういう意味だよっていうのを伝えてくることが多かったような印象。この書き方矛盾してる感じがするけど、比喩とか、冗談とかを混ぜながら暗示してくるような。感覚としては、和訳した洋書を読んでるみたいな…?そりゃあもともとそういう作品(翻訳された作品)なので当たり前かもしれないけれど、すごくアメリカを感じたというか、わざと日本人が演じていても日本人に見えないような、洋画の吹き替えとかそういうのを見ているような?感覚がしました
メイソンの言葉が……とかけばもう察してもらえるかもしれないけれども、あの言葉が重かったというか、悪くないんだけど、共感してしまったんですよね…そしてそれが正しい感情なのかなあとか、ぶつけてよかったのかなあとか、考えたりした。この物語の中ではぶつけてよかったと考えていいのかな

それぞれの役がくっきりしていてよかった。というか、考えや思いをそれぞれの役を演じる方から感じられたというか、当たり前だけど、役がその世界でその人の人生を生きている、意思を持っているという感じがした。それぞれが考えていることがあって、ぶつかったり、何らかのアクションが起こったり、っていうのがくっきりしていた。わかりにくくなく、あやふやにならずに確かに形になっていたというか。……書いててよくわからなくなってきた

最後の結末の意図というか、何を表しているのかをどう捉えたらいいのかまだこれという解釈が見つからなくて、いろんな人の感想をみたい……。続きの物語が存在しているような気がする。

もっとちゃんと味わって咀嚼して楽しみたかった作品。感想もまとまらない…もったいないことしたな。

◆ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊 単独レビュー公演「Caribbean Groove」
※分量が凄まじくなりそうなので別記事で書きます。書き終わらなそう。

◆1789
革命家たちのかっこよいのと、マリー・アントワネットがかっこよいのと、悪役が良い味出しすぎているのとで、……濃い!!!
副題の意味が納得できるストーリーだったなあと思います。恋人たち。群像劇っぽい描き方なのが好きでした。革命を起こそうとした人々それぞれにそれぞれの人生があるっていうのを、しつこすぎずに一つの事実としてすんなり感じられるというか。

この言い方は良いのかわかりませんが、チケットを取るという決断に時間がかからなすぎるというか、キャストをざっと見ただけでこんなの見なきゃいけないじゃん、という使命感に駆られないわけ無い。豪華。華やか。
小池ロナンで観劇しましたが、舞台では初めてお目にかかるので新鮮であった。少年っぽい無鉄砲な感じがあまり今まで見たことない役というか存在感というか。キャストによって大きく変わりそうだな〜と思いながら見ていました。
音楽がロックなだけあって、というか?古典的でなく斬新な雰囲気。派手な衣装とかポップなセットもあって、初めてミュージカルを見る人でもとっつきやすそう。派手。
ソニンさんのうたがすごくすごく力強くて驚きました。
あとはなんといってもアンサンブルというか群舞のシーンが圧巻です。二階席だったのでよくみえた。一回から見たらまたますますすごい迫力だったのかもな。

なんだか箇条書きになってしまった。


2.5次元多めの月だったかも。楽しい作品ばかりですとても充実した月でした。ちょっと楽しみすぎたくらい楽しかった。