huv a slight fever

年中夏

Nov.2018

映画の感想を送ってからこれを投稿するのを忘れていたことにきがついた。

 

◆JERSEY BOYS TEAM WHITE
やっと千秋楽でお目にかかれました白チーム。初演では赤しか見られなかったので私の中では本当の意味で、最初にして最後(?)の白です。(コンサートは除く)
作品の魅力をまっとうに浴びた!という満腹感で、幸せに打ちのめされて、帰り道ぼーっとしてしまった。
最後の4人の挨拶がとてもよかったです。なかでも中川さんの、言葉がとてもよかった。やっぱり、本編さいごのフランキーの語りがこの物語のなかのエッセンス的なものなのかな、と言うのを強く感じた。
街灯の下で、はじめて4人で歌ったときというあの瞬間は、あの4人にしかわからない、味わえないものだと思うのですが、あの4人ではない私でも、その瞬間に立ち会ったような気がしてきて、その場面を想像してじんわり胸が熱くなりました。それを初演からつみかさねて体現してきた4人が、舞台に立っている、それを見られる喜びをかみしめました。
あれが最高だった。ミュージカルだと、その言葉に共感した時に、同じ劇場の中にもそう感じている人が自分の他にもたくさんいるんだと思える。ホールだと余計そう感じましたが、すごく、私も一般大衆だ、って思えて、登場人物の一人になったというか、同じ時間と同じ気持ちを共有した感覚がして、あれは今までにない体験だったなあなんて思ったりしました。楽しかったよね、最高だったよね、ということを確かめ合えたかんじがした。

白の印象は、軽やか。バランスが良い。ああこれがジャージーボーイズだった!とあの世界にするっと戻してくれる。そんな4人。
私にとってのJERSEYBOYSという作品、あまりにFOUR SEASONSの音楽がすきすぎて、イントロからパブロフの犬のごとくなみだが出始めてしまうことでお馴染みですが、今回そのスイッチになった1曲目はcry for meでした。この曲、今までそこまで気にしてなかったけど、素晴らしい!神奈川公演を経てこの曲が一番好きな曲になった……というほどに。海宝ボブすごいな…すごいとわかっていても、納得のパフォーマンスで、大きいホールなのにそこまで大きく感じない。いい意味で。これくらいの箱が似合うというか…空間を支配できる力がある…。

◆JERSEY BOYS TEAM BLUE
白の翌日。楽しくって笑っちゃうくらい楽しかった。こんなにちがうものなのか!ってわかってはいたけど、本当に全然違った!おもしろい……!
伊礼トミーはほんとうにトミーだった。3人目にして一番王道?というか、しっくりくるトミー。日本にはいないだろうなこんな人(しかしアメリカではまかり通る)みたいなキャラクター。
spiニックは読めない感じがあり、おどけた感じ、冷静な感じが人物のおもしろさというか、興味をもってしまうような魅力があった。キレたときの静かな、でも激しい感情はまさしく青い炎というか。ひやっとする。それまでは穏やかだし、笑いに乗ってくれるところはノッてくれる良い人ってかんじだったのに。
そして一番書きたかったこと。コンサートの感想でも書いたのですが、青ボブゴーディオへの期待値がふりきれていて、しかし神奈川で目にしたボブはそれをさらに上回るボブだったので、すっごく好きになってしまって、これが最後なんて…と悔やまずにはいられなかった。歌もだったけど、この人のお芝居、素敵だなあ…って思いました。時間の経過、四季という区切りの中での変化がすごく魅力的。かっこよくて、しびれました。たどたどしいよそよそしい感じから、最後の「…僕がいなければ」までの変わりようというか。
cry for me 、もっともっと聞きたかった!びっくりするくらいここで泣いた。あんなに素敵な曲だったなんて…とおもった。昨日それを感じたとはいえ。歌詞の日本語の音のはめ方?というか、…絶妙。名曲。はやくCD聞きたい…。
そしてフランキーとの関係も好き。中川フランキーとの関係ってこんなに素敵だったのか。この二人セットがとても好き。


この作品の終わり方が最高に好きなんだけど、それぞれが残す台詞も粋というか、かっこよくておしゃれでおもしろくて、それぞれに拍手を送って終わるってのがすごく幸せなことに思える。それぞれ違う曲がバックで静かに流れるところも良い。シーンに戻れるような。なんだか懐かしい気持ちになって泣いてしまう。歌詞ももっとちゃんと覚えてもう一回みたいな〜…どうリンクしてるとか。

ジャージーボーイズって普通のミュージカルとは少し違っていて、歌っているシーンはレコーディングだったり、ツアーだったり、実際に4人が人生の中で歌っている場面が多い。(もちろん歌詞の意味とストーリーが重なる部分がないわけではないけど)だからストーリーを進めるセリフはストレートの部分も多い…?とおもいきや、歌が占める重さがすごくて…一曲の中に凝縮されたお芝居というか、ストーリーとか、とにかく、何回も見ないと面白さを楽しみ切れなかった。やっと面白さがわかってきた頃におわってしまって無念。また日本語版のミュージカルとしてお目にかかれることを心から願っています。


◆狂炎ソナタ
ヒューリックホールは初。映画館みたいな椅子。前方サイドはとても見切れそう。傾斜はまあまあ。マイクというか音響設備はどうなんだろう…すごく細かい音をよく拾ってた印象。
この制作さんが作る作品アルターぶり二度目でしたが、字幕上演ということをすっかり忘れていて、韓国語経験値ゼロの私は100パー楽しみきれなかった感が拭いきれない…。まさに自分の想像する韓国ミュージカルっぽかったです。フランケンぽさあり。苦悩と悲哀の表現に長けているというか。
芸術と倫理…みたいな、作品の芸術性というより内容についてもんもんと考えてしまった。見たタイミングもある。